まちなみ
まちなみという言葉は「町並み」とも「街並み」とも表現できる。町は市街地や区画のことを一般的にはいい、一方で街は、都市の中のデパートや商店街、飲食店などのアーケードがあり、集客力の高い繁華街、もしくは商業地区をいうらしい。
L&Aデザインでは町並みと街並みの両方を作っている。例えば、倉敷に昭和初期から続く長屋郡を昔ながらの横町へ再構築することもあれば、岡山大学病院の外来棟へ続くアプローチを造ることもあるのだ。
現代の都市景観は建物、広告物等の色彩の氾濫により、無秩序に見える事も少なくはない。そうならないために、周辺の景観を配慮し、洗練された意匠や色彩を有すという事が大切である。それぞれの地域の景観を考え、まるで昔からそこに在ったように景色に溶けこませるのだ。
また、日本の文化は、その風土に固有な春夏秋冬に富んだ四季によって育まれてきた。花鳥風月を優雅に楽しむ昔の住環境は、現在では難しいかもしれない。しかし厳しい環境条件のなかで住まいを、求めざるを得ない現代でも、四季を感じる住まいをつくり出すことはできるはずである。屋外環境と室内環境を区別する考え方ではなく、木々の草花、住まいを構成する材料の素材感や肌合いまでを含め一体として考えることも、そのひとつの方法であろう。四季を感じることにより豊かな生活を送り得るまちなみをつくることは、建築家の務めでもある。