住宅再生

住宅再生

 古い住宅を現代の住居として、住み続けられる家にすることを「住宅再生」という。L&Aデザインでも今現在住んでいる家から、使われていなかった蔵などに手を加えて生まれ変わらせ、さらに長寿命化させるよう再生してきた。

 バブルの時代には「一世代一住宅」というキャッチフレーズがまかり通っていたという。しかし、省資源、省エネ、環境保全が大きな問題となってきた現代では、一つの住宅を長く残していくという考えが増えてきた。これがむしろ本来の日本の住宅の在り方である。民家が時代を超えて生き続けてきたように、家は何代にもわたって住むものという、家本然の姿に戻ることが要請されているのである。

 石造で家を建ててきたヨーロッパとは違い、高温多湿の気候条件で木材の家を建ててきた日本には、昔から手を加えることで家の長寿命化を図ってきた。そうした技術が蓄積されおり、日本の家はその生涯の中で、何度かの再生を必要としているのだ。

 再生というからには保存する部分がある。木を組んでつくった架構や、外観そのもの。古材だから保存するのではない。古来、日本の家は、百年以上もつ架構の家を建て、なんども間取りを改変して長持ちさせてきた。そうした伝統に立ち返りながらも住宅を再生するのだ。